お題:大きなお世話
月間賞
湯で歌い 歌詞のちがいを 指摘され
花がえる 様 / 30代
佳作
クーラーの 効きすぎバスで 湯冷めする
桜子 様 / 50代
佳作
おばあちゃん 長湯している 美人の湯
やんちゃん 様 / 50代
佳作
日焼けした 背中を孫が 擦りあげ
アカエタカ 様 / 60代
佳作
太りそう コシヒカリの湯 糖質だ
ダイエット中 様 / 60代
佳作
お湯増えて 子ども喜ぶ 太鼓腹
りょうまま 様 / 50代
佳作
隣り合い 背中とうわさ 流されて
いちまま 様 / 60代
【月間賞作者より】
湯に入るとリラックスして歌ってしまうという経験は、誰にでもあるのでは。
これは友人と温泉に入ったときのことを詠みました。
歌い直されて初めはカチンとはくるものの、その歌詞もちがう、あれもちがうと論議するのも、また楽しい。
【選評】
月間賞を選句した際ですが、こちらの作品は癇に障る相手への皮肉を込めた句のように見受けられました。まさに『大きなお世話』だな、と。
ところが、作者のコメントを読んでみると・・・。
お風呂の愉しみというのは、こういうところにもあるのだと作品を通じて気付かされました。
温泉でリラックスし歌も口ずさむ気持ちの良い時を過ごし、その後にちょっとした「大きなお世話」を経て、そこから友人との談笑に至る。横やりを入れるのも、互いの関係性が良ければこそ!ということなのです。実は、明るい結末が隠れている川柳でした。
ふたを開けてみれば、表面的な印象とは違う深みを含んだ作品。
WEB川柳募集中!!▶ 今月のWEB川柳に応募する