~応募総数3,144作品。たくさんのご応募 ありがとうございました~
第10回湯快爽快お風呂川柳大募集 優秀賞
冷めないで 風呂の温度と 妻の愛 相模原市 滝沢 純 様 / 男性・49歳
【選評】
湯快爽快のお風呂川柳も10回目を迎えました。三千句以上の作品から選ぶにあたり、心情描写の巧みさや切り口の多彩さをポイントにしましたが、もうひとつ「共感」というのも重要な要素だと実感しています。この作品は、まさに多くの審査員の心に共感を呼んだ結果だったのではないでしょうか。世のお父さんの切実な願いを風呂の温度にかけて正直に読まれたなと思います。温泉なら冷めることなく永遠に暖かいお湯も、家庭の湯沸かし風呂となれば、やはり互いの努力とメンテナンスが大切ですね。 川柳に正解はありません。自身の体験や立場によって共感できる作品がそれぞれであることが面白さのひとつでもあります。来年もまた期待しています。 神奈川県川柳協会 顧問 堀井勉
湯快賞
女子会で 美肌褒め合う 風呂上がり 平塚市 楊子妃 様 / 女性・56歳
爽快賞
大晦日 はずれた夢を 湯で満たし 茅ヶ崎市 細谷 宏 様 / 男性・80歳
こども川柳賞
ゆけむりは ゆげがすごいな のれそうだ 我孫子市 ぱっち2 様 / 男性・7歳
WEB賞
母の背を 流して気づく 親不孝 横浜市 ねねどん 様 / 女性・56歳
特別賞
温泉で 子に伝えるは 和の心 座間市 あそじん 様 / 男性・45歳
特別賞
月でてる ふと下みると はらでてる 茂原市 ミスターたか 様 / 男性・40歳
特別賞
お年玉 はたいて孫が お風呂券 横浜市 じじい 様 / 男性・51歳
特別賞
美人の湯 たしか何度も 行ったはず 川口市 まりお 様 / 男性・40歳
【第10回総評】
毎年、サラリーマン川柳が話題に上がり、また色々な団体がコンテストを行うなど「川柳」がより気軽に取り組める趣味として様々な形で広がっています。湯快爽快のお風呂川柳の応募作品が年々数を増やしているのもそうした流れの一つかもしれません。多くの人が川柳に関心を持ち、やってみようかなと思うのは嬉しい限りです。一方で、やはり川柳は文芸であるというのが私自身の考えです。五・七・五であれば何でもいいのではなく、川柳という文芸のルールを踏まえて作品を丁寧に作る過程も楽しんでいただきたいということです。閃きも大切、そこに推敲を重ねていくとさらにいい句になるはずです。たとえば、上下の五音を入れ替えるだけでも印象ががらりと変わりますし、作品が引き締まることもあります。同じ言葉でもひらがなを使うか漢字にするかといったことにこだわってみるのもいいでしょう。 良い作品が多いということが、そのまま湯快爽快そのものの質にもつながり、ブランドのPRとして認知されることをこれからのお風呂川柳でも多いに期待しています。 NHK学園川柳講座講師 荻原美和子