お題:静寂
月間賞
湯にハシャギ 居間に涼んだ 子の寝顔
糖質無制限 様 / 30代
佳作
露天風呂 静寂破る 蝉の声
花がえる 様 / 30代
佳作
鼻歌を やめると安否 確認が
ついにジー 様 / 60代
佳作
孫帰り 一人湯船で 目を閉じる
宮のふみ 様 / 40代
佳作
彼思い ひとりの湯船 鼓動鳴る
玉手箱 様 / 50代
佳作
おしゃべりな 妻が湯に入り 居間静か
霞草 様 / 50代
佳作
コロナ禍も 鼻歌くらい 一人風呂
お風呂のヤマコ 様 / 50代
【月間賞作者より】
あんなにも騒がしかった子どもが急に静かになった時。それは大抵、悪戯をしているか、疲れきってその場で寝ているか、ということが多いです。
子どもの寝ている姿を見るのは微笑ましくほっとしますが、それと同時になんとも言えない寂しさを感じるのは、互いに成長しているからなのかもしれません。
【選評】
今月の月間賞選句は、大変珍しく審査が満場一致 !
巧みな表現力が際立っていました。“はしゃぐ”と“寝顔”の対比で、お題のフレーズは直接用いずに「静寂」を見事に表しています。
「静寂」の言葉が持つ、静けさ・美しさ・落ち着き・寂しさ・感傷・優雅さなど、諸々の印象の全てが感じられる作品。
読んでいて思い浮かぶ情景に共感があふれます。微笑ましくもあり微妙な切なさもあり、作品の世界観に何とも心打たれます。
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