お題:圧
月間賞
化粧台 視線送って 譲られる
チョモリン 様 / 60代
佳作
湯に放つ 圧縮された ストレスを
かえる ゑる 様 / 30代
佳作
うめるとき 圧を感じる 下町湯
貯虎 様 / 50代
佳作
今でるよ 女風呂から 咳ばらい
ヒメ父 様 / 60代
佳作
風呂上がり 光熱水費 妻凝視
糖質無制限 様 / 30代
佳作
血圧も 孫と入れば 正常値
もふもふ 様 / 60代
【月間賞作者より】
箱根に家族で旅行に行った時のひとコマです。
以前は髪が長く、背中までありました。風呂上がりに化粧台に向かうと、ドライヤーが全て埋まっていました。ですので、夕食の時間が迫っていたこともあり、そわそわしながら辺りをうろついていました。
それから、壁掛け時計をチラ見して、ショートヘアの若い女性に、斜め後ろから鋭い視線を送ってしまいました。
結果的に、その方は申し訳なさそうにサッと席を譲ってくれはしましたが、なんだか私も「しめた!」という気持ちと、「すみません」という気持ちでもやもやしたのでした。
こういう相反する気持ちを一句に込めました。
【選評】
箱根♨いいですね♡ ドライヤーの順番待ちや化粧台の空き待ち、女性は誰でも経験ありではないかと思います。時間が迫った際には焦りが生じるシーンですね!その焦りが周囲には『圧』として伝わったんですね。どんな視線が送られたのでしょう?(笑) 察してくださった方は素晴らしい洞察力と気配りをお持ちの方です。
もしかしたら男性はあまり共感が得られないでしょうか?どうか女性の長湯にはこうしたやむを得ない外因のケースもあることをご承知おきいただきたい💦
さてさて。作品はそんな背景を素になかなか仕上がりの良い句です。お題のフレーズは用いずとも、しっかり『圧』があるその場の情景が浮かんできます。譲られるところまで収めたのがおもしろい。
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