佳作

銭湯に　行く口実は　果てしなく
海老天マン　様　／ 30代

佳作

湯口見て　無限ループと　叫ぶ孫
フーマー　様　／ 60代

佳作

何回目？　のぼせて外へ　外気浴
チーッスおかき　様　／ 20代

佳作

限りない　湯舟に浮かぶ　「あ～」の声
ゴエモン　様　／ 60代

佳作

整った　この時ずっと　続かぬか
北鎌倉人　様　／ 60代

【月間賞作者より】

値上げ続きの日々です。
エアコン代節約のため、この冬は家ではセーターの上にセーターを重ね、まさに無限の重ね着で、雪だるまのような格好で過ごしておりました。

そして来るべき夏。
晴れて重ね着とおさらば、とはいかず、冷房で手足が冷えるのです！ハラマキやら靴下やら手放せません。お出掛けの玄関先や脱衣所では、年中「まだ脱ぐの？」の無限ループなのです。
ミルフィーユとか手品師とか家族に笑われながら、全身ぬくとまるお風呂のありがたみを感じています。

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【選評】

重ね着を “ミルフィーユ” と表現し、脱衣が “無限” に続くという様子がユーモアですね。
寒がりな奥さんをちょっとイジッたライトな作品かと思いきや・・・。作者のコメントを拝見して、燃料費の高騰や温暖化の影響といった背景が垣間見えました。選者はそこまでの深読みができませんでしたが、改めて良い句と出会えたと感じます。表面的には軽妙で言葉遊びが秀逸な作品であり、深堀りするとそこには社会情勢も実は隠れていたという驚きのある一句でした。

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